Column & Diary

[代表雑記 057] 理想の思考環境

2018年2月9日

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文章を考えたり、書いたりすること自体はさほど嫌いではない。
むしろ、たまに「筆が乗った」状態なんかになると、
もうニコニコしながら書き続けることができる。
しかし問題は、どうやって書き始めるかだ。

締め切りまでの時間が押し迫れば、それはもう書くしかない。
でも、「時間はあるけど早めにやっといたほうがいいな」ぐらいの微妙なものは、
なかなか始めることができない。
こんなスロースターターの典型みたいな僕でも、
そこでは水を得た魚のように、考えごとや書きものがはかどる場所がある。
飛行機のシートだ。

必要なものがコンパクトに収まった、コクピット感覚あふれる空間。
必要最低限の広さを確保したテーブル。薄い資料ぐらいは収まるポケット。
いちおうは機能するカップホルダー。窓の外には、移りゆく空からの景色。
そして何より、シートベルトによる適度な拘束感。
これはもう、考えるか、読むか、書くか、もしくは寝るか、
それしか選択肢がない。

僕はだいたい、小さなノートを広げる。
トイレに立つことさえ多少はばかれる理想の思考環境(?)で、
着陸までの数時間、ふだんぼんやり考えていたことやこれからの予定、
コラムのネタになりそうなことなどをひたすらメモし続け、
それをもとに文章を書いたりする。

飛行機の中という非日常的な空間のせいか、
はたまた出張の多いデキるビジネスマンにでもなったつもりなのか、
ふだんはモヤモヤしている頭が不思議とクリアになり、
次から次にいい考えが浮かんでくる。
身動きがとれないことを自分自信がちゃんと理解し、
あきらめて頭の中の問題ときちんと向き合うようになる。
そんな境地に包まれることで、やがて「筆が乗った」状態さえ訪れることもある。

あの感じをふだんの生活にも取り入れることができないか。
そう考えて、アメリカの小学校とかにあるような、
イスのひじ掛けの先に小さなテーブルがついている、あの一体型のイスを買おうかと思い、
ポチる寸前までいったことがある。
その時は「何のためにちゃんとした仕事机があるのか」という
当たり前のことに考えがおよび、思いとどまることができた。

それしかできない環境って、時と場合によっては必要なものなんだなと思った時、
はたと気づきました。それが会社ってことなんでしょうね。
フリーランスが長いと、いろんなところがマヒしてくるようです。