その昔、電話をしていると、ごくたまに「混線」という現象が起こりました。(今でもあるのかな?)
自分たちが話しているものとは異なる通話が電話に入り込んで、
訳がわからなくなってしまうという、あの状態。
まさにあれが、僕は自分の頭の中で起こってしまうことがあるのです。
といっても、病的な話でもなければ、オカルトっぽい話でもありません。
本当にごくまれに起こるのです。お酒の席で。
まあ、飲みにはよく行くんですよね。で、ビールを飲むんです。ひたすらビールです。
なぜかといえば、違うお酒を飲んでチャンポンすると、
自分が記憶が飛びやすいのを経験的に学んでいるからです。
とはいえ、たまにはワインと洒落こんだり、熱燗でしっぽりとか、やりたくなるわけです。
するとどうなるか。
コンディション次第では、即座に頭のスイッチがOFFになります。てきめんです。
脳がスリープ状態になり、メモリー回路も遮断されます。
この際、誰が見ても、「あー、でき上がっちゃったなー」という酔っ払い方をしてれば、
まあ、可愛げがあるというか、対処の仕方もあろうというものなのですが、
僕の場合は「表情を変えずに記憶が飛んでいる」ということが起こるらしいのです。
さらにやっかいなことに、経験を積むと、この状態が自分でもわかったりもするのです。
飲みながら相手と楽しく話をしてます。会話はまだ比較的スムーズ。
でも頭のすみに、酔っ払っているような、眠くなっているような、
不穏な地帯が発生しているのを感じています。気を許すと一気に拡大しそうです。
でも、今日はまだ大丈夫、なんて思いながら話していると、
突然、頭の中がストンと別の場面に切り替わります。
一瞬、え?と思うのですが、その別の場面のことを想像しながら話を続ける自分がいます。
表情を変えず急に違うことを話し始める男。相手はキョトンとした顔でこちらを見ています。
これが混線です。現実と夢がガバガバになりつつも平静を装おうとして、
余計に意味不明になっている男のできあがりです。
いつぞやは、旅行中に旅の思い出を語りながらみんなで飲んでいたら、
突然、存在しない二股の彼女のことを話し始めたらしいです。
なんだそれ。困るだろ、各方面で。
勘のいい人はお察しのように、つい最近もひさびさに「混線」しました。
その時に話してた人はその店のオーナーで、混線が始まると、すうーっと席から離れていきました。
ごめんなさいね、こんなのが常連客で。後日、ちゃんと説明させてください。
暴れたり、罵ったりとか、他人に危害を与えるようなことはないのですが、
表情を変えずに意味不明なことを言われても困りますよね。むしろそのほうが数倍怖いか。
「混ぜるな危険」。この言葉、僕のためにあるようなものだと、つくづく思います。
[代表雑記 027] 現実と夢がガバガバ
2017年11月24日