Column & Diary

[代表雑記 014] 敬意をもってギリギリまで遊ぶ

2017年10月25日

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せーの、キャッスル! キャッスル!
なぜか、毎回見てしまう番組です。録画してるんで、まあ当然なんですが。

みなさん、『中島卓偉のお城へ行こう!』ってご存知ですか?
テレビ神奈川で放送されている、いわゆる城跡めぐりのテレビ番組なんですが、
これがね、ちょっと変わってるんですよ。
中島卓偉という城好きのミュージシャン(スミマセン、どんなバンドかまったく知りません)が
数々の城跡を訪ね、その痕跡を目撃し、当時を妄想し、自らのお城愛を爆発させると、
まあ、そういう番組なんです。
このあたりは、いわゆるマニアック系の番組ではあるといえばあるのですが、
カメラを回すディレクター氏との会話のやり取り(基本、この2人しか番組には登場しません)に、
通常のマニアック系とは異なり、“陰”な成分がまったく含まれていないのです。

明るい。そして軽い。昔懐かしい“C調”という単語が浮かんできそうです。
案内人がミュージシャンということもあるでしょう。
リズムよく飛び出す、興奮を伝えるキャッチーなフレーズ。
それを受けるディレクター氏も、笑ったり、盛ったり、かぶせたり、
絶妙に現場の温度を高めていきます。
最少人数で動いているからこそ、いい意味でのパーソナル感が存分に発揮され、
ともすると、しみじみと“陰”に振れがちな城跡という題材を、
ポップで若々しい遊び場に変えてしまっているように思えるのです。

こういうのって、いわゆるマイナーのネガをポジに変換するお手本かもしれない、
なんて思うのは大げさでしょうか?
このアプローチは、賢くないとできません。
うまく表現できないのですが、“敬意を払いつつ、ギリギリまで遊ぶ”という感覚は、
けっこう有効な手法だよな、と思ったりするのです。