Column & Diary

[代表雑記 062] 手に持っているとかっこいいもの

2018年2月21日

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街を歩く時、手に持っているとかっこよく見えるものって何だろう。

ふつうに考えると、女性の場合、ブランドバッグってことになるのだろうか。
それはどんなブランドで、どんなアイテムか、なんかも影響するのだろう。
でもそれって、ブランドのヒエラルキーをまとっているだけのことなのかもしれない。
そういう話になると、お金があって人生経験も豊富な人が、がぜん有利だ。

そうではなく、持っている人が自然にもっといい感じに見えてしまうものは
何かと考えた時、はたと思いついた。
楽器ケースだ。
それは、俗物的なヒエラルキーとは無縁のものだ。
仕事場である目黒にはヤマハの音楽センターがあって、
いろんな楽器ケースを持って歩く子どもや大人の人をよく見かける。
これがみんなすごくかっこいい。
有名なブランドバッグを抱えたご婦人の横を、
ちょっと地味めの若い女性がバイオリンケースを持って通り過ぎる。
かっこいい。なぜか拍手しそうになる。
これは、僕の楽器を弾ける人に対するリスペクトが多分に入っているのだろう。
自分は楽器に関してはまるっきりセンスがないので、
楽器が弾けるというだけで、その人の評価が3割増ぐらいになってしまう。

ブランドバッグが「俗」で、楽器ケースが「聖」という決めつけもどうかと思うが、
こっちのほうが、高級やら、限定やら、逆にアリやらという面倒くさい争いを
軽々と超えて存在しているように見えるのは、正直、気持ちがいい。
自分の身長と同じぐらいのギターケースを
リュックのように背負って歩く女の子なんかは、本当にかっこいいと思う。
はい、ちょっと自分の趣味が入りすぎました。

「大きければ いよいよ豊かになる気分 東急ハンズの買い物袋」
というのは、俵万智さんの有名な短歌だ。
楽器ケースの話を書いていると、この短歌を思い出した。
これも、ヒエラルキーの呪縛を超えた豊かさを表現したものなんじゃないだろうか。

ブランドにも、東急ハンズみたいなヒエラルキーを感じさせないものがありますよね。
これもまた、本当に尊敬に値する存在だと思います。