Column & Diary

[代表雑記 093] 我が家の空き屋問題 その1

2018年5月4日

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慣れないことをするのは本当にたいへんだ。まさに一筋縄ではいかない。

じつは実家の福岡に祖父が残した家があるのだが、
父が他界してからは、その維持管理の作業を僕が担うことになった。
以前は人に貸していたのだが、現在は入居している人はおらず、空き屋となっている。
いわゆる地方の「空き屋問題」というやつだ。

家というのは人が住まなくなった途端、ものすごい速さで雑草に侵食される。
それはまさに自然の脅威だ。ある種の恐ろしささえ感じる。
とはいえ、手をこまねいているだけでは家が朽ち果てるだけなので、
ヒマを見つけては、というより無理やり予定を組んでは実家に帰省し、
猛威を振るう雑草どもと格闘しているというわけなのだ。

最初は、簡易な電動草刈機なんかを買ってやれば、
チャッチャと半日ぐらいで終わるだろうと思っていた。
とんでもなかった。簡易的な草刈りが有効なのは平場の雑草なのだ。
家の周囲に石積みされた花壇めいたものがあり、その上を覆うように、
ツタ類やら、シダ類やら、よくわからない雑草どもが生い茂っている我が家は、
電動草刈機が威力を発揮する場所ではなかったのだ。

その事実に直面した日は、日差しの厳しい夏の日だった。
行く手を阻むように生い茂った雑草の海が、陽炎のようにゆらゆらと揺れていた。
足元には、戦力にならないとわかった電動草刈機が転がっている。
こいつらと手作業で闘わなくてはいけないか。そう思った瞬間、心が折れた。
素人では無理だ。すぐさま知り合いを介して、草刈りを頼める人を探した。
ここから現在へと続く、雑草との長く険しい闘いが始まろうとは、
その時は予想だにしていなかった。

長くなりそうなので、次回へと続きます。