Column & Diary

[代表雑記 098] 夕方飲みのセットメニュー

2018年5月16日

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天気のいい日が続いている。
桜が散って、新緑が鮮やかになって、梅雨が始まるまでの間。
とうに寒くはなく、かといってまだ暑くもない。
日本でいちばん過ごしやすい時期といっても過言はないだろう。

そんな気持ちのいい日の夕方。
打ち合わせから帰る途中で新しい飲み屋さんなんかを見つけると、
今日は明るいうちから飲んじゃおうか、なんて気分になる。
店内に入り、一人で、と告げる。メニューを見回し、どうしようかと考える。
そんなときにありがたいのが、ビールとつまみが数品ついたセットメニューだ。

正直にいうと、以前はこの手のセットメニューを軽んじていた。
これは、節制を余儀なくされているおじさんサラリーマン向けのメニューであり、
自分でガシガシ稼いでる間は、こういうものに手を出すものか、
なんて小生意気な考えをしていたように思う。

でも、違うのだ。最近になって気づいた。
歳を重ねていくと、どうしても食べる量というのはどうしても減っていく。
そうすると、ビールとつまみ数品で十分というふうになってくるのだ。
セットメニューは、そういう妙齢の一人飲みの腹具合と非常にマッチする。

これは喜ぶべきことなのか、悲しむべきことなのかはわからない。
ただ、初めての店で何を頼んでいいかわからないときなどは、
少なくと積極的に活用していい選択肢だと思う。

おしんこをかじりながら、ビールをひと飲み。ぼーっと窓の外を眺める。
そうやって、いつしか瓶ビールの手酌が似合うおじさんになってしまうのだろう。
少なくともその姿が、わびしくではなく、かっこよく見えるおじさんになりたいものだと思う。