Column & Diary

[代表雑記 015] クロージングの儀式

2017年10月27日

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ここ最近、ランニングを続けるようにしています。
近くの目黒川沿いの遊歩道を、上流へ、下流へ、約40分。
途中から大きな通り沿いを走ったりもしますが、
都心の喧騒から離れて気楽に走るには、ちょうどいいコースです。

平日は夜に走ることが多く、川沿いをゆく人の姿はまばらです。
犬を散歩させる夫婦、僕と同じようなナイトランナーが、ちらほら。
そして時折見えるのが、暗闇のなか、ベンチに座って静かに川を眺めている人。
会社帰りなのか、友人と飲みに行った帰りなのか、
何をするというわけでもなく、つかの間の休息を過ごしています。

どうして、ここに腰を下ろそうと思ったんだろう?
まっすぐ家に帰るんじゃなく、ここでひと息つくのは、なぜ?
ただランニングをしているだけの僕に、その理由がわかるはずもありません。
なかにはスマホに語りかけている人も。
画面が明るいのはビデオ通話でしょうか。そこに映るのは、その人にとっての大切な誰か?

家に帰ってからじゃ忘れてしまいそうな、この気持ちを伝えるために。
家に帰る前に忘れてしまいたい、この気分をおさめるために。
今日という日のクロージングの儀式をとりおこなう人たちを、
夜の闇が、優しく、等しく、包み込んでいます。

みなさん、おつかれさま。しっかり休んで、また明日を迎えましょう。

今日を締めくくるランニングをしながら、そんなことを考えたりしていました。