Column & Diary

[代表雑記 023] ひさびさのザ・通勤ラッシュ

2017年11月15日

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フリーランスのいいところに、通勤が自由ということがあります。
コピーや原稿を期日までに仕上げることができれば、
それをどこでやろうが、いつやろうが、基本的には個人の自由なのです。
なので朝の通勤ラッシュとは、しばらく無縁の仕事生活を送ってきたわけですが、
たまにはあるのです。朝イチでの打ち合わせ。

その日は朝8時台の山手線に乗ることになりました。
ひさびさのザ・通勤ラッシュです。
ドア付近に乗り込むと、もうアレなのですね。流れるプール状態。
ドアが開くたびに、いったんホームへ押し流され、再び車内に押し戻される。
あっちへゆらゆら、こっちへゆらゆら、右回転、左回転、たまに一瞬宙ぶらりん。
「そうだった。通勤ってこんな感じだった」と、少しは懐かしい気持ちも
なきにしもあらずですが、だんだん疲れてきて、心ここにあらず状態に。

そして思い出しました。これこそが通勤ラッシュとの正しい向き合い方だということを。
身体をふんばって支えようという意思を放棄して、心を無にすることが、満員電車攻略の真骨頂。
波にあらがわず、波と一体となるのがサーフィンの極意とすれば、満員電車もまた同様なり。
まさに人の波にもまれながらも、適度にその流れに身を任せることが、
ストレスフリーに通勤タイムをやり過ごす最善の策であるのです。

思えばこの通勤ラッシュも、日本を象徴するひとつの事象かもしれません。
インバウンドのアトラクションにどうでしょう? モーニング・ヘルズ・トレイン。
Go Pro片手に外国人の方々が、「Oops!」とか「Jesus!」とかって口走りつつ、
あっちへゆらゆら、こっちへゆらゆらしながら笑い転げている。
いつもの通勤客の方は、たまったもんじゃないでしょうが。

まあ、ひさしぶりの通勤ラッシュを体験して思ったのは、
やっぱり日本のビジネスマンの方々はタフだということ。
体力的なこともそうですが、ものごとへの対応力がハンパなく高い。
「慣れ」のひと言で片づけられない精神的な強さに、
日本人の底力を感じた朝イチの打ち合わせでした。