Column & Diary

[代表雑記 028] とんかつのエクストリームな味わい

2017年11月29日

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とんかつブーム、らしい。
そうなのだろう。ナイスキャッチのある目黒には、
とんかつ業界屈指の有名店『とんき』が店を構えているが、
いつでもお客が絶えないのはもちろん、最近は外国人旅行客の姿も多く、
もはや観光地といった様相である。というか、絶対ガイドブックに載っているのだろう。
大きなキャリーバッグを抱えた外国人が、団体さまで暖簾をくぐっていく。
まあそれはいい。『とんき』はずっと前からそうだったのだから。
しかしここ最近、わりとこじんまりとした隠れた名店『大宝』までもが、
四六時中行列のできる店と化してしまった。

とんかつは「今日はとんかつを食べよう」と決めた瞬間から、頭と胃を支配してしまう食べ物だ。
普通の食事なら頭のなかに表示される、
「本当に○○に決めますか? OK/キャンセル」という画面が出ない。
思ったら、もう決まりなのだ。だから変更がきかない。
そして自分自身がそんな仕上がった状態で店に出かけ、行列を見たときの絶望感たるや。
どうする? とんかつの代わりを探すのか?
セブンのチキンカツサンドか? 近くのスーパーでまい泉のヒレかつサンドでも買うか?
ダメだ。できたてのロースかつの、あの脂身の甘味を噛みしめながらご飯をかきこむ、
エクストリームな味わいに勝てる代替品など、今の自分には存在しない。
心のなかで強制終了という名の「最初から思わなかったことにする」ボタンを押し、
すごすごとオフィスに戻る、夢破れた敗北者となるしかないのである。

とはいえ、運命の神さまは気まぐれだ。
たまたま行列がなく、暖簾をくぐった瞬間に座れるときだって、もちろんある。
ここで問題です。とんかつが目の前に運ばれてきました。
みなさんはどんなふうに食べるのがお好みですか?
最初は塩だの、右から2切れ目からいくだの、いろんなこだわりが、おありだろう。
僕の場合は、こだわりというか、自分の好きな食べ方というものがある。
まずはとんかつの背景となっている山盛りの千切りキャベツに、ソースをたっぷりかける。
そうして「千切りキャベツソース」をつくる。
そのキャベツソースを好みの量、かつひと切れにのっけて、まるごとひと口でほおばる。
そしてすかさず、ごはん投入。状況が許せば、さらにビールだ。
このキャベツソース、玉子ではなくキャベツを使ったタルタルソースというイメージである。
この食べ方がたまらなく、うまい!
肉の旨味とソースの甘味に、キャベツのしんなりした食感が加わって、
通常よりもダイナミックにとんかつの味わいを構築する。
最後に「食ったー!」と思わず声がこぼれる、そんな満足感をもたらしてくれるのだ。

と、こんなに食べたいのに、ここ最近、対とんかつ大宝、3戦全敗である。
僕はあまり並んでまでお店に行きたい人ではないため、行列があると入るのをやめてしまう。
もちろん並ばないと絶対に入れないお店もあるので、そういうときはガマンするが、
これまでの大宝は、僕のなかでは「並ばなくて入れる店」ということになっていたので、
なんとか並ばずに入りたいと思ってしまうのだ。

この切なる思いを文章にしてしまえば、いくらか心も軽くなるかと思ったが逆効果だった。
次こそは、特製千切りキャベツソースで脂身のうまいロースかつを、存分に堪能しようと思う。

※写真は、とんかつがなかったため、代替のメンチカツ(@アナザー8)です。