Column & Diary

[代表雑記 102] カーディガンというスタイル

2018年5月27日

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前回に引き続き、フリーランスの服装について。

最近、インタビューしてその内容を原稿にするという仕事がわりと多い。
インタビューする相手は、メーカーの開発者だったり、リクルート向けの先輩社員だったり、
さらにはイベントの一般参加者だったり、さまざまだ。

インタビュー案件をいくつか経験してきて僕が思うのは、
かしこまった雰囲気でのインタビューは、だいたい大した内容にはならないということ。
そうではなく、相手にリラックスしてもらい、雑談のように会話のキャッチボールを続けることで、
これはというフレーズや、インタビューの核心めいた部分に迫る話を
引き出すことができると思っている。
そう考えると、相手に警戒心を与えず、
しかも信頼に足る人間だと思わせることがとても大事になる。

そう考えると、スーツやジャケット姿はちょっと違うと思うのだ。
といって、シャツ一枚というのは少々カジュアルすぎるというか、品格に欠ける。
そこで重宝するのが、カーディガンだ。
白シャツにカーディガンを羽織るだけで、なんとなくちゃんとした人に見えるから不思議だ。
夏場だったら、ポロシャツにカーディガンでもけっこういける。
ジャケットよりも堅苦しくなく、そこはかとない品のよさをまとうことができる。

そんな出で立ちで、インタビューがスタート。
質問は必ず事前に考えておく。メモはとらない。レコーダーにすべてを任せる。
頭は、次の質問を何にすべきか、その一点に集中する。
どういう話の流れにするか。どういう反応したら相手はノッてくるか。
手振り身振り、顔や声の表情、身体全部を使って、相手の気持ちを上手に引き出していく。

考えてみたら、インタビューはスポーツに近いかもしれない。
会話は言葉を使ったラリーだ。相手の打ち返しやすいところに質問したり、
意外性のある質問で相手を揺さぶったりする。ときにはボレーを返して相手の気持ちをあおる。

そうなると、やっぱりスーツやジャケットは似合わない。
フットワーク軽く会話のやり取りに対応できるカーディガンというスタイルが、
いちばんしっくりくるような気がするのだ。