Column & Diary

[代表雑記 076] 自由な風紀がまかり通る季節

2018年3月26日

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絶好調に春ですね。ぽかぽか陽気で、桜は満開。
これで浮かれるなというのが無理というものです。

ここ数年、桜の名所としてメディアに取り上げられることが多くなった目黒ですが、
桜見物に訪れる人の多さは、住人的には目を疑うものがあります。
朝、駅に向かって権之助坂を上がる人の流れがひと段落すると、
目黒川の桜並木に向かって坂を下ってくる人の大群が押し寄せてきます。
見ごろとなる満開の時期は、休日だろうが平日だろうが関係ありません。
目黒川の上流と下流を一望できる目黒新橋には、老いも若きも外国人観光客も、
さまざまな人たちが歩道いっぱいにひしめきあい、満開の桜並木を写真に収めています。

この季節の好きなところは、人の心が寛容になる(ような気がする)ことでです。
昼間から公園でビールなんかを飲んでいても、不審がられることはありません。
会社勤めの人も早めに仕事を切り上げて、
今日は花見がてら一杯行こうか、という気分になるのではないでしょうか。
目黒川沿いはここ最近、宴会禁止となったのでわりとお上品なのですが、
これが上野公園あたりになると、もうカオス状態。
これぞ、ハメはずしといわんばかりの珍奇な光景が繰り広げられると聞きます。
日本人は勤勉で礼儀正しく思慮深いと思っていた外国人観光客にとっては、
ものすごいカルチャーショックを受けるのではないでしょうか。
しかしこれも、いや、これこそ日本人の愛すべき姿だと思うのです。

そう思うと桜ってすごいですよね。
咲くだけで、日本人の心身をここまで乱れさせるものってほかにはないんじゃないでしょうか。
見方を変えれば、べつに桜が咲いた時だけじゃなくても、
年に何回か、こうした自由な風紀がまかり通るイベントがほかにもあれば、
僕らが暮らしているこの世界の風通しはもっとよくなる気がします。

さあ、今日もしっかり働いて、寛容な心をもって
ビールをプシュッとやりたいものです。