Column & Diary

[代表雑記 096] 我が家の空き屋問題 その4

2018年5月12日

column_180512_1

人間、腹をくくると行動に迷いがなくなる。
実家からクルマで1時間、祖父の家に到着した僕は、
害虫(とくに蚊)対策に用意した養蜂家が着るネット付きの上下の作業服に着替え、
手には植木バサミと新たなウエポンである電動草抜き機を持ち、
凶悪な雑草が牛耳る荒野と対峙した。

こういう時は躊躇してはいけない。
いつもやってることですけど、というような足取りで雑草の森に分け入り、
はいはい、いつもすみませんねー、というそぶりで植木バサミを動かす。
切るというより刃にからみついてくる雑草を根ごと引っこ抜くという作業を繰り返す。
ある程度、上辺の草を刈り取ると、今度は電動草抜き機の刃を地面に突き刺す。
クワで畑を耕すように、振動する刃を敷地の端から順に動かしながら、
雑草の根っこを取り除いていく。その間、約2時間。
養蜂家スーツの下では汗が大量に噴き出し、もはやホットヨガ状態だ。
中腰のまま腕を何度も動かすので、腰も腕もガチガチになってくる。
意識的に休憩をとり、汗をぬぐっては、スポーツドリンクを飲む。

疲れというより暑さでフラフラだが、
なんというか、やるべきことをやっているという実感があって気持ちが萎えない。
Amazonでベストセラーを獲得している園芸グッズはどれも優秀で、
獰猛な雑草どもに対し一緒によく戦ってくれる。
体力さえ続けば、こちらが負けることはない。そう思わせてくれのが心強い。

あらかた雑草を片付けたら、最後の仕上げで雑草シートを敷く。
これは、地面を太陽光から遮断し、中の植物の生育を妨げるというものだ。
もちろん新たに飛来してくる雑草の種が根をおろすのも防いでくれる。
とりあえず、空き家を人に貸せる算段がつくまでは、
仮でこのシートを張っておこうということになったのだ。
敷地に合わせてシートを広げ、吹き飛ばないように杭を打ち込む。
こうして3、4時間かけて、雑草の森の1区画が雑草シートで覆った。
雑草を撲滅させるためには、これをあと4区画分ほどやらなければならない。

まだ先はあるが、こうすればいちおう完成という部分がひとつできたのは大きい。
こうなってくると不思議なもので、早くまた雑草を刈りに来たいと思いつつ、
日曜の最終便で福岡を後にするのであった。

いよいよ最後です。次回に続く。