Column & Diary

[代表雑記 094] 我が家の空き屋問題 その2

2018年5月7日

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文明の利器である電動草刈機さえあれば何とかなる。
それは、雑草の何たるかを知らない都会っ子の甘ったれた願望にすぎなかった。

素人には歯が立たないと感じた僕ら(実家住まいの姉と僕)は、
親戚を通して植木の手入れなどをやってくれるプロを紹介してもらった。
職人さんの本業は大工さん。
しかし、田舎ゆえの人づきあいで、大工仕事のついでに庭の木を切ってほしい、
花壇の石を取り除いてほしいなどの願いに応えているうちに、
戸建てにまつわるあれこれのよろず相談人みたいになったという人だ。

さっそく下見をしてもらいつつ、こちらの要望を伝えた。
まずは家の周囲に繁殖している雑草の刈り取り。
それとあまりに多すぎる木を伐採すること。
これには、僕と姉とでかなり意見を交わした。
多すぎるので、間引きして少し残そうという僕と、
日当たりと風通しを確保するため、とにかく全部切ってしまえという姉。
確かに多くの木が家に覆いかぶさるように立っているため、
家の中が暗く、湿気がちになっている。
そのため蚊をはじめ、いろんな虫たちの温床となっているのも事実だ。
というわけで、結局全部切ってもらうことにした。
ただし、玄関にある梅の木だけはシンボルツリーとして残すことにした。

かくしてプロの手による雑草&木立の伐採大作戦が敢行された。
実際の作業には、僕らは立ち会っていない。
言い忘れたが、この家があるのは実家のある太宰府から
クルマで1時間ほど走った飯塚という町だ。
実家にいる姉とて、そうひんぱんに訪れることはできない。
職人さんから作業が終了したという連絡をもらったのは、
2、3週間ほど経ってからだった。喜びいさんで、僕らは見に行った。

見事だった。アンビリーバボーである。まさに雑草が一掃されていた。
まったく見えなかった地面がむきだしになり、大小さまざまな石がゴロゴロしている。
多少スカスカになった感は否めないが、あの屈強な雑草どもに侵食され、
腐海に飲み込まれる運命かと思われたあの家の状況を知っている者としては、
これはパーフェクトワークである。
僕らは手を取り合わんばかりに喜び、職人さんを称賛した。

しかし、この喜びは長くは続かなかった。
雑草のもつ本当の強さ、恐ろしさを思い知らされるのは、これからだったのだ。

まさかの、また次回へと続きます。